手帳
過去も未来への
軌跡も
この手の中
だれも残してくれないから
あたしは記録したい
知らないまま
生きることは
いけないことなの
多くを知ってるあなたは
偉いのかな
検索ばかりで
知ったような気になって
知識だけ
理論だけ
理想だけ
それよりあたしは今日という
1日を丁寧に大切に生きて生きたい
一歩前
辿り着けない
あと少し
ゴールが見えてから
こうなったらいいなって
思いだしたら
そこからまったく進まない
理想をもてるほど
近づいているはずなのに
つい逃げ出したくなってしまう
そこから
一歩前へ
なんとか踏み出せる
あたしでありたい
ツール
つかわれるのか
つかいこなすのか
堂々巡りに終わりはないの
誰かがいった
ネコの様に生きていきたい
来世の願いも飽和気味
ほら繰り返す
今世の諸行
トビラ
気付いたら僕の眼の前に
大きな扉があった
開かないのだろうか
頑丈な
重厚な作りだ
彼女は僕のとなりで
ハンマーを振り下ろしていた
コレは夢
それともゲーム
電子音が聴こえると同時に
粉々に崩れていくのは
僕の世界か向こうの世界か
ゆるぎない
どっしりと
おおらかで
まあるく
にこやかに
ただその場に
居続けることが
どれほど難しいことなのか
歳を重ねるほど
困難になっていく
自分自身が
あせって
ぴりぴりして
とげとげしく
気難しくしているから
やってこないのに
反対のことばかりしてしまう
あたしのところに
痛みが走っていく
端々
直接なにかされた訳でも
ひどいことをされた訳でも
ない
なにも変わらないかもしれない
彼等が正しいのかもしれない
それすら霧の向こうがわ
近づいてはいけない
本能がいった
陽気な親しげな顔のまま
善意のかたまりのような態度なのに
どこかが歪んでいる
どこがと言われても
うまく答えられないんだけど
ただぼくは美しく生きていきたい
手当て
あなたがかざしてくれた
手のひらで
泣けなかった僕は
やっと息を吐くことができた
泣き方を忘れた子どもに
僕はなにができるのか
窒息してしまう前に
息を吐くことすらくるしい世界で
あの子の泣き場所に
ボクハナリタイ