リップ
そっと口につける
紅をさす
赤く艶めくアタシになる
しっかりと塗るわけでなく
あくまでそっと
唇から離れた瞬間
世界が華やいだように見えた
少しでも
綺麗になりたくて
ムズカシイ理論なんか知らない
ただ赤く赤く
美しく艶めく
あの日見た女性には今でも程遠い
私は大人になれるだろうか
愛されることができるだろうか
愛することができるだろうか
バッグ
入れてしまえば大丈夫
誰にも見えない
わたしのこともあなたのことも
猫が私たちをみていた
バレてしまったかしら
ねこもいれてしまえば大丈夫
ことりがさえずる
わたしたちのこともウワサしている
バレてしまったかしら
ことりもいれてしまえば大丈夫
あたしとあなたを邪魔するものなんているのかしら
そろそろ
満杯になってしまいそうね
ほら
新しいバックを買いにいきましょう
もうすぐ新作のバックがでるから
むかむか
気持ちが悪い
自分の気持ちが消化しきれなくて
なんて、
カッコいいことを書いた気になったけど、
さっきたべたよくご飯の食べ過ぎじゃないか
ただのご飯の食べ過ぎ
大好きなんだよね
豆ご飯
ついお代わりしちゃって
おかずも美味しくて
だから、むかむか
いやそれ以外にもむかむかの原因があったような
一週間もいやいやしながら働いた自分
そのなんならやめればいいと思っている自分
でもすぐには辞めることができない自分
やっぱり、もやもや
でも今日は、
ご飯が美味しいかったから
もういいや
おやすみなさい
痛み
感じていた
ピリピリ
ヒリヒリ
もう少ししたら開放してくれる
冷たい氷があったら
うれしい
時間がきたら収まってくれる
もう耐えられない
キリキリ
ザリザリ
ザラザラ
やめて
もういやだ
心当たりがあったことはありますが
時間が経てば忘れてしまいます
誰かに言われたナイフのような言葉も
弾丸のように身体を撃ち抜いて言った言葉も
戻らない
気がついたら
身体中に小さくて目には見えない傷がありました
あなたが付けたの?
私が付けたの?
犯人はいない
ただ痛みだけが残る